サブカルチャーの継承の話

 最近のアニメには、子供枠が無いらしい。
 子供枠とはちょっと昔のアニメにあった、子供が感情移入できるように用意された枠なのだが、それが最近のアニメには無いというのだ。
 いや、アニメだけではなく、漫画や特撮にも無いという話を聞いた。
 その理由は、恐らく子供の時に子供枠を嫌った人たちが成長し、コンテンツを作る側になったからではないだろうか。
 そもそも子供は主人公に感情移入するため、足を引っ張ったり突っかかったりする子供枠はなんの意味もないただの嫌われ役なのだ。
 そんな存在にイライラしていた子供たちが、今子供枠を設けないのは当然のことだろう。

 では、今の子供たちが大人になった時、今のコンテンツにあるもののうち何が無くなるのだろう。
 僕はいじめや虐待などの陰鬱な描写であると考える。
 鬼滅の刃や呪術廻戦、最近話題になっているタコピーの原罪などに出てくる陰鬱な描写は、子供たちにとってストレスになっているのでは無いだろうか。
 僕も子供の時主人公が落ち込んだり責められたりする描写が苦手だった。
 それと同じように、昨今の作品に出てくる陰鬱な描写は、大人は普通に受け入れていても子供には好かれないものでは無いだろうか。
 
 もしそうなったらどんな作品が生まれるんだろうか。
 いずれにせよ、今のものとはガラッと変わったものになることは違いない。
 そして、歳を取った僕はその作品を受け入れられず、流行の波に乗れない老人になっているのだろうなと思う。