実写デビルマン 〜邦画史に残るクソヤバ映画〜

 質が悪い映画が出るたびに、これは実写デビルマンレベルとかいう感想をよく耳にする。  

 

 しかし、実際にデビルマンを見たら、そんな感想は決して抱かないと思うのだ。

 デビルマンはそこらのクソ映画とは格が違う。まず、俳優がまともに演技をできていたらそれでもうデビルマンと比べるのもおこがましいレベルだ。

 まず、主役2人がヤバい。それに釣られて周りもヤバくなってる。ボブサップが余裕で上手い方に入るってどういうことだ。

 

 特に「あーー」がヤバい。人は同じ単語でも、声色だけでさまざまな感情を表すことができる。

 たかが「あーー」でも、話に協調するときの「あーー」、忘れ物やうっかりを思い出したときの「あーー」、悲しみを示すときの「あーー」など、たくさんの感情を表すことができる。

 しかし、この映画の「あーー」からは何も感じられない。伝わってくるものが本当に何もない。彼がどのような感情で言っているのかが全くわからない。「あーー」という声の体裁を成しているだけの空虚とも思える。

 他にも演出や脚本など粗は目立つが、演技に比べたらもはや些細なことだ。

 

 では逆に、この映画の良いところを挙げてみる。

 まずはCGだろう。変身前はガリガリでヒョロヒョロの主人公が、変身すると途端にデビルマンになる。また、ミレーヌとの空中戦も迫力満点で面白かった。

 次にパンチの演出だ。デビルマンがトドメの一発を放つとき、画面が漫画のタッチのようになるのだ。主役が殺陣とか出来ないのか、戦闘シーンは大体パンチ一発で終わるのだが、その演出は普通に褒められるものだ。

 あとはラストだろうか。僕は原作の漫画を読んでいないので聞いた話になるが、ラストは漫画版と違うらしい。映画の方では虐められてたJKと小学生が、荒廃した世界に生き残るというエンドで、僕個人としては高評価だったが原作ファンからは不評かもしれない。

 

 以上だ。他に良かったところは特にないと思う。それ以外は全部駄目だし、特に主役の演技は庇える所もない。

 昔、最後ら辺はまだマシになっているという意見を見たのだが、実際に映画を見ても自分の耳が慣れたのか上手くなっているのかわからない。

 

 そんな実写デビルマンApple TVで407円でレンタル出来る。ネームバリューを含めればそのぐらいの価値はあるので、気になっている人は是非見てみて欲しい。

 2000円の価値は絶対に無い。